動画サイトにて映画『赤い縄 果てるまで』(1987年、すずきじゅんいち監督)を観た。
サラリーマンの野中陽介(阿部雅彦)は終電間際の車両の中にいた。立っている若い女性(岸加奈子)に見とれていたが、女の手首には縄目の跡がくっきりと残っていた。その女と出会ったことをきっかけに、陽介がこれまで抑えてきた欲望が目覚め…。
『天使のはらわた赤い淫画』でもそうだったが、ふとした事から理性のブレーキが壊れる男を演じた阿部雅彦がヤバすぎる。阿部はこの時代のロマンポルノを代表する男優と言っていい。家路にある急な坂道が、陽介の欲望と転落を表している。 陽介に性的なモラハラを受ける妻役の中川みず穂や雨中で巨大な木に縄で吊られる岸加奈子の女優陣が身体を張っていて、観ているこちらが心配になるほどだった。
女を縛っているつもりが、逆に縛られていた。
SM版「阿部定と吉蔵」の物語を観ているようだった。
『赤い縄~果てるまで』
— 三久真空 (@mickmac70) January 11, 2022
ため息と眼差し、男を見つめる表情、素晴らしく豊かな情感で観る者の心を揺さぶってくる岸加奈子は、歴代の名美の中でも上位で評価したい…#ロマンポルノ#石井隆 pic.twitter.com/zonHw5E246