映画美貌録

映画はミューズで出来ている。

追悼。

小林信彦がビーパップハイスクールの評で「この人は日本映画の黄金時代なら神秘的な美少女として一世を風靡したろう(=吉永小百合になれたろう)」と言っていたのを思い出す。美人薄命。

Kiichiro Yanashita (@blackhole.co.jp) 2024-12-06T15:00:14.305Z
https://bsky.app/profile/blackhole.co.jp/post/

Threadsで見る

Threadsで見る

Threadsで見る

『赤い縄 果てるまで』。

ロマンポルノ50周年記念・HDリマスター版「ゴールドプライス3000円シリーズ」DVD 赤い縄 果てるまで

 動画サイトにて映画『赤い縄 果てるまで』(1987年、すずきじゅんいち監督)を観た。

  サラリーマンの野中陽介(阿部雅彦)は終電間際の車両の中にいた。立っている若い女性(岸加奈子)に見とれていたが、女の手首には縄目の跡がくっきりと残っていた。その女と出会ったことをきっかけに、陽介がこれまで抑えてきた欲望が目覚め…。  

 『天使のはらわた赤い淫画』でもそうだったが、ふとした事から理性のブレーキが壊れる男を演じた阿部雅彦がヤバすぎる。阿部はこの時代のロマンポルノを代表する男優と言っていい。家路にある急な坂道が、陽介の欲望と転落を表している。 陽介に性的なモラハラを受ける妻役の中川みず穂や雨中で巨大な木に縄で吊られる岸加奈子の女優陣が身体を張っていて、観ているこちらが心配になるほどだった。

 女を縛っているつもりが、逆に縛られていた。  

 SM版「阿部定と吉蔵」の物語を観ているようだった。

『夜に頬よせ 過去を抱いた女』。

『夜に頬よせ 過去を抱いた女』のレビューhttp://romanpornofan.blog.fc2.com/blog-entry-2750.html

『死霊の罠』。

死霊の罠 [Blu-ray]

 動画サイトで映画『死霊の罠』(1988年池田敏春監督石井隆脚本)を観た。  

 ニュースキャスターの土屋名美(小野みゆき)宛に送られてきた謎の惨殺ビデオの謎を探るため、名美とスタッフたちは取材班を組み撮影場所と思われる郊外の建物へと入っていく…。

 「これでもか。」と、言わんばかりに詰め込まれていてお腹いっぱい。池田敏春監督のしつこさに胃もたれした。

 日本初のスプラッター映画と言われていて製作側の気合の高さを感じた。ルチオ・フルチ作品好きから言っても、冒頭の眼球串刺しシーンは痛々しい。しっかりとした弾力感と水晶体が飛び出るリアルさがグッドでありバッドだった。よう出来てた。『ソウ』シリーズみたいな罠の仕掛けも見事。

 この残酷で禍々しい物語を体当たりで演じた小野みゆきシガニー・ウィーバーを思わせる強い存在感。 幼少の頃のあだ名が「デビルマン」だけの事はある。逃げられたはずなのに、惨殺された仲間の死体を見て犯人に立ち向かう姿に心意気があってカッコよかった。

 その小野に相対する大輔役の本間優二は暴走族『ブラックエンペラー』の元総長。昭和の終わりに「デビルマン」対「ブラックエンペラー」の夢の対決が実現していたなんて。この「ブラック・デビル」対決に胸が熱くなった事をご報告致します。

 当初本作はビデオ用の予定だったが、完成度の高さから劇場公開された。ヒロインは小林ひとみを予定するも、池田監督から「ヒロインに向かない。」と、拒まれて「シガニー・ウィーバーに似ている」小野みゆきに変更したのは池田監督の慧眼だ。

 池田監督は、小野みゆきの嘔吐シーンに納得がいかず、火の点いたタバコを小野に投げつけたとか。劇中のキャラ「ヒデキ」より怖い池田敏春。敵は近くにいた。 

 『死霊の罠』は海外でも人気が高くて池田監督が劇場で作品を観たのはアメリカだった。

 余談だが、ラストで名美に届け物を渡す女性スタッフを演じたのは池田敏春監督の元夫人。「大崎裕子」名義で、『ズームイン暴行団地』などに出演していた。

 長年本作のDVDは廃盤になっていたが、クラウドファンディングで寄附を募ってブルーレイが発売された。

 大林宣彦監督は「メジャー映画は志。B級映画は心意気。」と、語っていたが、『死霊の罠』は志と心意気を兼ね備えた映画である。


www.youtube.com

『天使のはらわた 赤い淫画』。

天使のはらわた 赤い淫画

 動画サイトで映画『天使のはらわた赤い淫画』(1981年、池田敏春監督)を観た。    

 デパートに勤務する土屋名美(泉じゅん)はある日同僚の瞳(栗田陽子)からバイトを紹介され軽い気持ちで受けるが、それはビニール本のモデルだった。世に出たビニ本のせいで名美の人生の歯車は狂う。そんな名美の前にビニ本に魅せられた男・村木(阿部雅彦)が現れる…。

 池田敏春監督、石井隆脚本だからおもんない訳ないやん。

 確かに設定に破綻は見えるが、そこはロマンポルノだから。ロマンなポルノ。男の欲望の人身御供になったヒロインの泉じゅんがとにかく美しい。

 オナニー三昧でフラフラして名美につきまとう村木役の阿部雅彦はうざくてキモかったが、終盤から名美と同じ様に可哀想な境遇に同情してしまった。あれは理不尽過ぎた。

 名美が不本意な気持ちで撮影されたビニ本の仕事を紹介した瞳とその後も普通に接しているのは違和感があったし「怪しい。」と、言うだけで村木に散弾銃をお見舞いする街の住民もヤバ過ぎた。  

 卵と鉛筆やコタツの足を使ったオナニーは果たして気持ちいいのだろうか。変態オナニストぶりは名美も村木も伊藤京子が演じた高校生も似た様なもんだ。

 演出では石井隆作品には欠かせない雨や色で心象風景を表した場面には見応えがあった。 

 名美と村木が出会えそうで出会えないラストは、王道のメロドラマや憂愁なフランス映画を観るようだった。

『愛獣・襲る!』。

愛獣 襲る!

 『愛獣・襲る!』(1982年黒沢直輔監督)。

 母(吉川遊土)の愛人である河村(小林稔侍)との関係が母にバレた遊(泉じゅん)は、家を飛びだした。5年後、遊が横浜に舞い戻ると、母はチンピラと心中し、腹違いの妹・ルイは遊を目の敵にしていた。遊は刑事を辞めヤクザになった河村が母の死に関与していると知り…。

 黒沢直輔監督なので、アクションとサスペンスを絡めて魅せてくれると、思いきや肩透かしを喰らった感じだ。

 体を張って母の死の真相を聞き出し復讐する泉じゅんは魅力的だったが、ちょっと優しすぎた。映画のキモである遊とルイの葛藤や母の死について掘り下げないまま終わったのも残念。但し劇中歌のりりィの歌は女の物語に相応しいカッコ良さだった。

 それからナヨナヨして青臭い芝居の内藤剛志東映大部屋育ちらしい中々死ななくて「よう泉じゅん笑わんかったな。」と、思うぐらいオーバーアクトな小林稔侍、見るからに絶倫な益富信孝の男優陣が花を添えていた。

 遊が旅立つルイに投げかける「女は上半身と下半身を断ち切らないと、タフには生きて行けないんだよ。」が、心に残った。

"一ノ瀬紗良"で出ています。


www.youtube.com

田辺さら  

 タレント。1999年7月18日生まれ。 TDプロモーション所属

 "一ノ瀬紗良"名義でキャットファイト系作品に出演して話題になる。

@cfmkota 5月19日に開催したK-Cat Projectファンミーティングの中で行ったスパーリング 一ノ瀬紗良のスープレックス風ブレーンバスター、名付けてホワイトインパルス! #美少女プロレス #一ノ瀬紗良 #美女地下プロレス #キャットファイト #catfight #GirlsProwrestling ♬ プロレス・バトル・スポーツテーマのメタル - 廣瀬祐輝